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【読書感想】川上弘美さん著「蛇を踏む」(芥川賞受賞作)簡単に言葉にできないことを表現してくれてるスゴイ作品

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川上弘美さんの芥川賞受賞作品

 

短編なので短時間で読める。

 

裏表紙には「若い女性の自立と孤独を描いた」って書いてあるけど、違うと思う。そんな具体的に「自立」とか「孤独」とか簡単に言える話ではない。もっとなんとも言えない人間の心の動きが描かれてる。簡単に言葉にできないから小説にして「人に化ける蛇」を使って描いたんだと思う。

 

この本には自分の分身というか自分の一部のようなものとして、「人に化ける蛇」が出てくる。蛇というと気持ち悪い感じが普通だけど、川上弘美さんが描くこの蛇はあんまり気持ち悪くない。ぼくはこの実生活ではお目にかかれない「人に化ける蛇」を素直に受け入れられて、とってもおもしろく読めた。ぼくは主人公のように若くもないし女性でもないけど、すごく共感できた。

 

「こわいよ僕は」ともう一度言った。

〈中略〉

そうすると私は蛇に言われた「ヒワ子ちゃんはいつもそうやって知らないふりをするのね」という言葉を思い出してしまうのである。

 

中盤にある文章。主人公の勤め先の主の「こわいよ」が「知らないふりをしている」ということを示している(とぼくは解釈した)。ここは特に共感した。見たくない、考えたくないことに対しては「こわい」と言って目をそむけてしまう。大人になるにつれてそういう「こわい」ものが増えてる気がする。

 

冒頭もとてもワクワクさせる魅力的な書き出して大好きだ。

 

とってもおもしろかったので、川上弘美さんの他の作品も読むことに決めた。 

 

文庫本には「蛇を踏む」以外に「消える」「惜夜記」の2つの短編が入ってる。これらもおもしろかった。 

 

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とりあえず…

今日は生きるつもり。

 

 

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